【第105回技術ゼミナールを名古屋で開催致しました】
日時:2017年9月13日(水)、14日(木)
場所:名古屋国際ホテル
2017年9月13日(水)、14日(木)の両日にわたり、名古屋国際ホテル(愛知県名古屋市)において、第105回技術ゼミナールを開催致しました。
※記事の最後に、アンケートにありました質問にお答えしております※

ゼミナール開会に先立ち、大久保隆副会長(㈱ジャパンファーム)より、九州北部及び秋田、全国で発生した集中豪雨で被災された方々にお見舞いの言葉を述べました。
引き続き、今年の夏について、「西日本は猛暑の影響を受けて個体重の低下が顕著に表れました。東日本は涼しい夏の影響で、良好な生産状況が伺えます。今年の熱死被害については、夏場対策の強化や育種改良、品質管理の向上により、大きな被害は発生していないと聞いています。」と、西日本の”スーパー猛暑”、東日本の長雨に伴う日照不足について触れました。
第105回技術ゼミナール

また、鶏肉相場に目を向け、「モモ肉は7、8月に下がったものの、ムネ肉が高値安定しており、正肉では去年を上回り、良好に推移しています。
ムネ肉は、健康志向の高まりを受け、サラダチキン等の加工向けの需要や、テーブルミートとしての消費も上がっており、今後も安定した相場展開が予想されます。
モモ肉に関しては、西日本の夏場の体重減の影響や、9月から学校給食の再開、鍋物用としての需要が例年より早く出てきており、今後期待が出来るのではと思われます。
国内の鶏肉の消費量は年々伸びを見せており、現在国民一人あたりの鶏肉消費量は、13kgと過去最多を更新し、食肉消費量のトップを維持しております。引き続き、国産チキンの安心安全、安定生産が不可欠となります。」と、鶏肉の需要が高まっている様子をお話ししました。
また逆に、供給面からは「年末需要に対する雛の供給については、11月上旬の入卵に少し不安が残っています。また、好調な相場や生産性を受けて、産地の生産拡大意欲は強くなっていますが、農場建設を行うにあたり、周辺住民の理解や建設業界の人手不足等々で進捗が計画通りに行かないケースも出てきています。」と現状不安の声、
「食の安全面については、昨今殺虫剤フィプロニルが混入した卵が40ヶ国で見つかり回収されています。動物用薬品については、適正使用を徹底し、国産チキンの信頼を失うことのないように取り組まなければなりません。」
と、消費者の食への不安、信用問題など、業界の課題について取り上げました。第105回技術ゼミナール

防疫面については、
「平成28年度での国内の鳥インフルエンザの発生は、北海道から宮崎にかけて全国で分布しました。
野鳥での検出は過去最大規模となる218例となり、ウイルスに感染した野鳥が農場周辺に飛来し、その環境中のウイルスが増加することで、鶏舎へのウイルス侵入の機会や量が増えたと考えられます。
国外では、アジアのみならず欧州の国々においても、様々なウイルスが確認されており、今年秋以降で日本へのウイルス侵入リスクは高いと言わざるを得ません。第105回技術ゼミナール
ヒト、車両、野鳥、野生動物を介したウイルスの農場内及び鶏舎内の侵入防止に、関係者一体となって厳重な防疫体制を構築し、今年の冬を乗り切って行きましょう」と、冬の到来を前に、警戒意識やさまざまな情報を共有し、課題解決へ繋げていただくよう、力強く締めくくりました。

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本ゼミナール、講演プログラムは以下の通り。

【第105回技術ゼミナールプログラム】
●第一日(9月13日) 司会:㈱松本鶏園/松本 弘文氏
1.開会の挨拶 日本チャンキー協会/副会長 大久保 隆氏
2.報告「実績調査結果~傾向分析~」㈱日本チャンキー/和久 健太氏
3.講演「優良会員の取り組み」
種鶏:日本ホワイトファーム㈱宮崎生産部/柳田 泰宏氏
プライフーズ㈱/杉浦 秀幸氏
ブロイラー:宮崎くみあいチキンフーズ㈱/須志原 豊和氏
㈱ウェルファムフーズ /近藤 慶彦氏
●第二日(9月14日) 司会:㈱スリーエム/近藤 喜嗣氏
1.講演「種鶏飼養管理~後半の生産性改善~」Aviagen社/Larry Blackstone氏
2.講演「ブロイラーの冬場管理」㈱日本チャンキー/河合 泰典氏
3.アンケート調査実施
4.閉会の挨拶 日本チャンキー協会/ブロイラー部会長 矢元 淳一氏
※Aviagen資料につきましては、追って掲載致します。第105回技術ゼミナール

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最後に、矢元淳一ブロイラー部会長(プライフーズ㈱)は、閉会挨拶で、大勢の会員の皆様にご参加頂いたことについて喜びを伝え、以下のように述べました。
「全国から現場の方が出席し、技術を高め合い、懇親を深める最高の場であると改めて感じました。

実績調査の傾向分析からは、客観的に事実を把握することが出来ました。
成績優良会員を代表して発表して頂いた皆さんからは、
・1羽を大切にすること、
・ハッチスプレッドを揃えること・種卵バラツキを揃えること・種鶏個体重を揃えること、
・常日頃からの、鶏目線の絶対にズレない飼育管理方法、
・成績改善しているにも関わらず、より高い志を持って取り組むこと、
など、コストをかけずに知恵と工夫の積み重ねで成績向上させる、刺激的でヒントになる内容でありました。また、このような取り組みについての発表は、現場の改善に繋がる、非常に参考になるものでした。」第105回技術ゼミナール

またAviagen社のLarry氏の講演については、「種鶏飼養管理について、生産現場も更なる生産向上に向け、理屈を把握した上でのチャレンジ意欲をかき立てるものでした。そして、オス管理については、種鶏の取り組み報告と合致する内容でもあり、基本を徹底することの重要性を再認識しました。

冬場の管理については、おさらい的な部分がありますが、必要最小限の換気量で舎内に満遍なく酸素を供給する仕組みの重要性を示しました。

安心かつ安全で、最も安く摂取出来る動物タンパク源の鶏肉は、コンビニでのサラダチキンや唐揚げ等の消費拡大で売上が後押しされていることから、まだまだ養鶏業界には元気になれる要素があります。その反面、人手不足や、飼料価格等の不安要素がつきまといますが、技術を高め合う情報供給の場を増やし、生産成績を向上させ、鶏の進化に負けないくらいの現場の進化で不安要素を減らしていきたいと思います。」

最後に、渡り鳥飛来のシーズンに触れ、防疫管理について、「これまで共有してきた情報や、対策の徹底、対策漏れの防止など、高い防疫意識を持って、危険なシーズンを乗り越えれば、来年4月の来期技術ゼミナールには皆さんと笑顔で再会出来ると思います。」
と結び、2日間にわたるプログラムが終了、無事に技術ゼミナールは閉会致しました。

この場をお借りして、ゼミナールに関わってくださった全ての皆様に、心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。

※アンケートにてご記入頂きましたご質問に対する回答につきましては、コチラをご確認ください。
「後日回答」箇所に関しましては、追って回答得られ次第ご紹介申し上げます。